中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

企業分析

きずなHD・・新しい中期経営計画について①

1.新しい中計の発表 きずなHDは7月15日、4Qの決算と共に新しい中期経営計画を発表した。 きずなHDは2020年7月21日にも中期経営計画を発表している。わずか1年で計画を立て直した訳だが、その内容は前回より更に強気なものとなっていた。 具体的にはホー…

きずなHD⑦・・バリュエーションについて③

1.これまでのまとめ 営業利益は以下のような式で求めることができる。 営業利益 = 売上 - 原価 - 販管費 2023年5月期の会社計画である営業利益は1,027百万円。これが本当に達成できるかどうか評価するため、売上と原価について考察していった。 今回は…

きずなHD⑥・・バリュエーションについて②

1.中期経営計画と利益 前回の記事では2023年5月期の売上目標の達成の可能性について考えてみた。 今回は利益の目標達成の可能性について考えてみる。 中期経営計画をもう一度見てみる。2023年5月期の当期利益のは554百万円だ。 2020年から比べて+163.8%成…

きずなHD⑤・・バリュエーションについて①

1.中期経営計画と株価 きずなHDは2020年7月に中期経営計画を発表している。 3年後の2023年に売上 10,420百万円、当期利益 554百万円という計画を定めた。 2020年5月期は売上7,676百万円、当期利益210百万円だった。 2021年3月11日の株価は1,532円。時価総…

きずなHD④・・予測可能な未来とリスク

予測可能な未来、だが未確定 未来は予測可能なものもある、という話を最初に書いた。 きずなHDの未来は上の図の中のレベル1に近いのではないか。 そんな話を書いたが、もちろんバラ色の未来が100%保証されているわけではない。保証されているならそれは株…

きずなHDを買った訳③・・成長のための戦略

1.きずなHDと業界の現状 2021年現在、きずなHDは89の直営ホールを運営している。 主な展開エリアは、宮崎県(21ホール)、熊本県(16ホール)、北海道(17ホール)、千葉県(16ホール)、愛知県(12ホール)などだ。 きずなHDの売上に占める直営ホールの割…

きずなHDを買った理由②・・葬儀業界について

前回の記事の反応が良くて嬉しい。 twitterのフォロワーさんも増えて励みにもなった。 気分良く続きを書きます。 今回は葬儀業界の特徴について書きます。 1.葬儀の特徴について 葬儀業界の特徴を箇条書きでまとめてみた。 ① 宗教がからむ 葬儀といえばお…

7086 きずなHDを買った理由①・・予測可能な未来

1.きずなHDを買った きずなHDは葬儀会社だ。葬儀サービスを展開している。 2021年1月12日から14日にかけて、このきずなHDを買った。 1月10日に本格的購入を決定したが、そのすぐ後の1月14日に2Qの決算発表が予定されていた。決算後に株価が跳ね上がって…

PSOLを買ったわけ⑦・・企業価値と株価について

1.成長のためのボトルネック ちょっと前にTwitterでこんな事をつぶやいた。 具体的には一時期のニンテンドースイッチをイメージすればいい。 どこの店舗でも品切れ、Yahooオークションで定価よりずっと高値がつくような状態では、商品の供給イコール売上に…

PSOLを買ったわけ⑥・・RPAについて

1.RPAとは何か PRAとは「Robotic Process Automation(ロボテック・プロセス・オートメーション)」の略だ。つまりロボットにプロセスを自動的にやらせるシステムだ。 PSOLの分析記事の第一回目にも少し書いたので、覚えていない方はもう一度読んでみて下…

PSOLを買ったわけ⑤・・市場規模と成長性とゴールドラッシュのスコップ

1.ニッチな市場の規模 PSOLは、資産運用を行っている金融機関に導入された各種汎用システムを利用しやすいようにアレンジし最適化する、というビジネスを行っている。 実に面倒くさそうな仕事だが、類似案件を多くこなしてノウハウを蓄積しながらサービス…

PSOLを買ったわけ④・・IT業界の仕組み

1.下請け・孫請け・ひ孫受け トヨタやホンダのような自動車メーカーには、部品提供その他のためにたくさんの下請け企業が存在する。大手ゼネコンにも、たくさんの下請け孫請け企業が存在する。 これらはピラミッド構造を形成する。下に行けば行くほど企業…

PSOLを買ったわけ③・・MD制とは何か?

1.MD制とは何か PSOLは「MD制」という社内制度を展開している。 MDとは「Managing Director」の略だ。 顧客企業に導入された各種の汎用システムを、それぞれの企業が利用しやすいようにアレンジし最適化するのがPSOLのビジネスだ。 このビジネスを実行する…

パワーソリューションズを買ったわけ②

1.PSOLの面倒な仕事とニッチな顧客 顧客企業に導入された各種の汎用システムを、それぞれの企業が利用しやすいようにアレンジし最適化する。 それがパワーソリューションズ(以下PSOLと略す)のビジネスだ。 このビジネスはたぶん、とても面倒くさい。 私…

パワーソリューションズを買ったわけ①

久しぶりの分析記事 自分がなぜその企業の株を買ったのか? これは説明できるレベルになっておく必要がある。「なんとなく」で売買しても勝てる人もいると思うが、それは一部の天才のみ。私のような凡人がそんな真似をしても退場に近づくだけだ。 だから企業…

アズームを買った理由⑦ 原価と販管費と利益

1.アズームの決算 7月30日にアズームの3Q決算が発表された。その内容はほぼ予想通りだった。 発表される当日は決算に対する期待からか、株価が5.0%も上がっていた。発表された翌日は-11.23%と下落した。 決算発表前にどのような期待があって買われたの…

アズームを買った理由⑥ 稼働率とIT

1.サブリース事業の稼働率 前回の記事ではサブリース事業の受託台数のみについて考察した。 しかし受託台数は「仕入れた商品の数量」に過ぎない。売る商品が確保できなければ売上が増える訳がないので、受託台数が最も重要なKPIであるのは間違いない。しか…

アズームを買った理由⑤ バリエーションについて

1.アズームの企業価値 アズームの2020年9月の予想売上は39億2,800万円。予想営業利益は1億9,000万円、予想純利益は1億1,700万円だ。 それに対し、2020年7月17日現在の株価は4,095円、時価総額は59.8億円だ。 ここから計算される予想PERは52.25倍となる。 P…

アズームを買った理由④ 駐車場業界について

1.駐車場業界の成長 駐車場業界は成長が著しい。そう言われてもピンとこない方も多いと思う。 日本の人口は減少に向かっているし、「若者の車離れ」といった言葉は随分前から聞こえてくる。実際自動車の保有台数はここ15年くらい増えていない。 http://www…

アズームを買った理由③ 駐車場の借り手を見つける

1.マッチングサービス事業 ビジネスを分析するときは「お金を払うのは誰か」という事を十分考えなくてはいけない。アズームのビジネスについては簡単だ。駐車場を借りるひとが月額でお金を払う。 借りる人がいなければアズームが借り上げた駐車場は賃料を…

アズームを買った理由② 駐車場の貸し手

1.駐車場を貸してくれる人は増えたか アズームのコアとなるビジネスは駐車場のサブリースだ。他にも事業はやっているけど、駐車場のサブリース事業が売上の85%を占めている。だからまずはこの駐車場サブリース事業について見ていく。 サブリース事業が成…

アズームを買った理由① 駐車場のサブリース

1.アズームを買った。もっと買いたかった。 アズームという企業はtwitterで知った。 大数アルファさん、という方がつぶやいていたので自分でも調べてみた。調べた結果、ものすごく有利な投資物件になるだろうという確信を持った。 アズーム株の購入はスム…

IPSとフィリピンのカントリーリスク②・・ドゥテルテ大統領

1.ドゥテルテ大統領の経歴が濃い フィリピンの事を知るためには、フィリピンの政治を執り行っている大統領について知る必要がある。 フィリピンのドゥテルテ大統領はものすごくキャラが立っている。タイの首相は知らなくてもフィリピンの大統領は知ってい…

明豊ファシリティワークスの決算説明会動画を見て

1.明豊ファシリティワークス決算発表 5月15日に明豊ファシリティワークスは決算を発表した。 売上高43.5億円(前年同期比-22.2%)、経常利益906百万円(前年同期比+16.2%)だった。この数字は、会社の予想よりもコンセンサス予想よりも良かった。 発表の…

IPS・・・フィリピンのカントリーリスクについて①

1.IPSの分析記事は書けない 私はコロナショック直前あたりから本格的にIPSを購入し始めた。本当はコロナショック直後に購入したかったが、それは欲張りすぎだろう。直前に買っただけでも十分に利益が乗っている。 そうなるとまた分析記事を書きたくなる。…

コロナショック後の銘柄⑥ システムディはHold

1.システムディの値動きがひどい話 システムディを初めて買ったのは2018年3月のことだ。 当時1株1,500円台で買った。その後1:2で株式分割しているので、現在の価格に直すと750円~800円の間で買った事になる。 それが下のチャートの矢印①だ。ここでポ…

コロナショック後の銘柄⑤ ウィザスは売った

1.ウィザスを買った理由 1年前にウィザスという企業についての記事を書いた。 詳しくは下に貼ったリンクをクリックしてほしいが、読むのが面倒な方もいると思うので箇条書きでまとめておく。 ・ウィザスは塾と通信制高校の2つの事業を営んでいる。 ・塾…

キーエンスと明豊ファシリティワークス

1.明豊ファシリティワークスの記事 昨日書いた明豊ファシリティワークスの記事、とてもアクセスが多かった。 明豊ファシリティワークス、株価はさえないけど人気があるんだろうか?あるいは、以前からお世話になっている有名な投資家さんがtwitterで記事を…

コロナショック後の銘柄④ 明豊ファシリティワークスはBuy

1.明豊ファシリティワークスを買った理由 明豊ファシリティワークスを買った理由も散々書いた。以前の記事を読まれていない方はまずこちらを読んでください。 全部で6回に渡って長々と書いている。 これらを全部読むのは大変なので、買った理由を理由を箇…

コロナショック後の銘柄③ マークラインズはHold

1.マークラインズはHold 気づけばマークラインズの決算が明日に迫っていた。 この会社については書くことがあまりない。Holdを続けています。 でも決算後に「思ったとおりになりました」と、後出しジャンケンになるのは嫌だ。という訳で、書くことは少ない…