日本リビング保証を買ってずっと持っている理由①
1.日本リビング保証の話が書けなかった
日本リビング保証は2018年に買った。
買ってすぐに株価が3分の2に下がり、年末には半分まで下がった。2019年の終わりには買値まで戻したが、ここまで含み損に耐え続けたのは初めての経験だった。
赤い矢印が私の買った場所だ。
買った頃の日本リビング保証のPERは40~50倍だった。それでも安いと判断して買った。その判断についてずっと書こうと思っていたが、日本リビング保証はちょっと変わった会計処理をしている。そのため分かりやすく書く自信がなくて先送りにしていた。
でも持っている理由を人に説明できない株は持っていてはいけない、とも思う。
という訳で書いてみます。日本リビング保証を買った理由と、含み損に耐え続けた理由について。
2.日本リビング保証のビジネスモデル
日本リビング保証は個人住宅のアフターサービスを提供する会社だ。
家は設備の修理やメンテナンスや修繕など、建てた後でも様々なアフターサービスが必要になる。これらのアフターサービスが日本リビング保証のビジネス領域だ。
日本リビング保証のセグメントは「① おうちのトータルメンテナンス事業」と「② BPO事業」に分けられる。おうちのトータルメンテナンス事業は、Ⅰ.保証サービスと、Ⅱ.検査補修サービスと、Ⅲ.電子マネー発行サービスが含まれる。
① おうちのトータルメンテナンス事業
Ⅰ.保証サービス
(1)住設あんしんサポート・・・新築住宅向け設備保証
(2)売買あんしんサポート・・・中古住宅向け設備保証
Ⅱ.検査補修サービス
Ⅲ.電子マネー発行
② BPO事業
日本リビング保証のビジネスを目次にすると上記のようにまとめられる。これらを順番に説明していきたい。まずは①ーⅠ-(1)住設あんしんサポートから。
①ーⅠ-(1)住設あんしんサポート
住設あんしんサポートは新築マイホームの設備に対する延長保証のサービスだ。
電化製品を量販店などで買うと半年から1年程度の保証がつく。保証期間中は故障しても無料で修理してもらえる。同じようにマイホームを建てたときにも保証がつく。ボイラーが壊れたりトイレが流れなくなったりすると、無料で修理が受けられる。
しかしこれらの設備保証期間は通常1~2年だ。だけどマイホームを1年や2年で買い替える人などほとんどいないだろう。そこで住宅の設備の保証期間を最長10年まで延長するサービスが「住設あんしんサポート」だ。
借家やアパート住まいの場合、設備が故障した時は不動産屋か大家さんに言って直してもらう事になる。しかし、自分の家の場合は自腹を切って修理を依頼するしかない。修理が終わるまで不便なうえに、お金もかかる。保証が効いていれば、少なくともお金を余分に取られることはない。
保証延長を顧客にあっせんするのは住宅メーカーだ。あるいは住宅メーカーがサービスの一環として保証金を払う事も多いようだ。
この保証延長は住宅メーカー側にもメリットがある。
まず延長保証が販促の一環として作用する。
そして面倒なメンテナンス作業を代行してやってもらえる。トイレ詰まりや小さな修繕など、いちいち現場まで行って対応するのは住宅メーカーにとって無駄が大きい。
また、顧客との良好な関係を維持できる。少額とは言えその都度お金を払ってもらうのは心理的にも負担になる。これら少額のお金を、家を建てる時にまとめて払ってもらえば痛みが小さい。マイホームの取得費にメンテナンスの保証金を足したところで、ほとんど誤差レベルでしか金額は増えないだろう。顧客との良好な関係が維持できれば、やがて改築などの仕事を受注する機会も増えるだろう。
住宅あんしんサポートはB to CではなくB to Bのビジネスだ。
①ーⅠー(2)売買あんしんサポート
一方、売買あんしんサポートは中古住宅向けの設備保証サービスだ。
新築の住宅ならトイレもバスも新品だ。しかし中古住宅の設備は中古だ。中古車の品質が一台一台違うように、中古住宅の設備は品質にばらつきがある。
中古住宅の設備であるバス、トイレ、キッチンを検査し、その上で3か月から2年間の期間で保証するのが売買あんしんサポートの内容だ。
近年、少子化と過疎化、核家族化のため、空き家が問題になっている。2013年の段階で日本全国で820万戸の空き家が存在する。これが2033年には2,150万戸に増加すると見積もられている。
増え続ける空き家~2つの空き家問題~-NPO法人 空家・空地管理センター
その一方で日本の中古住宅の流通量は欧米と比べて6分の1しかない。
空き家問題の解決の為にも、国は中古住宅の流通促進を国策として推進している。
2018年4月、中古住宅流通促進のため宅地建物取引業法が改正された。これにより中古住宅の売買をあっせんする不動産業者は、住宅設備の検査・保証をあっせんする義務が生じるようになった。
https://www.mlit.go.jp/common/001201151.pdf#search=%27%E5%AE%85%E6%89%8B%E5%BB%BA%E7%89%A9%E5%8F%96%E5%BC%95%E6%A5%AD%E6%B3%95%E6%94%B9%E6%AD%A3%27
上記は国土交通省が作成した資料の一部だ。
その中にインスペクションという言葉がある。これは「住宅の設計・施工に詳しい専門家が、住宅の劣化状況、欠陥の有無などを診断する」という意味だ。
見る目はない消費者が安心して中古住宅の購入を購入できるように、国が保証の後押しをしているのだ。
日本リビング保証の「売買あんしんサポート」は国策に沿った商品だと言える。
この売買あんしんサポート、保証料はほとんどが仲介不動産業者が負担しているようだ。不動産業者が保証を付けた商品として中古住宅を売り出しているわけだ。最終的に保証料は購入費に転嫁されているだろうけど、日本リビング保証が直接お金を受け取るのは不動産業者だ。
売買あんしんサポートも、B to Bのビジネスだと言える。
予想通り長くってきた。
続きは次回に。
2019年の投資成績は想定外によかった
1.大納会を終えて
12月30日は大納会。今年最後の株式市場が終わったわけだ。
次に市場が開くのは1月6日の大発会の日だ。それまで日本の市場は正月休みだ。
私の場合今年は年末年始ずっと仕事。次の休みが1月3日から始まる。比較的時間があるのでこのような文章を書く余裕はあるんだけど。
2019年の私の年間運用成績は +76.8%だった。
これは出来すぎた数字だ。もし毎年 +76.8%のパフォーマンスが達成できれば、たった4年で10倍近くまで資産が膨らむ。もしそこまで簡単にお金が増えるのなら、世の中は投資家の億万長者であふれることになる。
実際は億万長者はそれほど多くない。こんなパフォーマンスが何年も続く事はほぼありえない、と考えていい。
それでもお金が順調に増えていくのはとても嬉しい。気分がいい。
1年前の大納会後にも一年間のパフォーマンスについて書いた。去年のパフォーマンスはマイナス14.6%だった。そのこともあって「一年間で区切ったパフォーマンスの数字なんて大して意味はない」というようなことを書いた。
今も大した意味はないと思っているが、それでも嬉しいものは嬉しい
1年間だけじゃなくて3年間ならどうだろう。そう思って過去の記録を確認して、年足チャートを作ってみた。2017年1月の私の運用資産額を100として、その相対値を年足でローソクチャートにしてみた。
2018年のドローダウンが痛い。それでも3年間でちょうど2倍に増えている。
このペースで増えれば文句なしだ。
2.2019年の投資の振り返り
2019年はミスが少なかった。
もちろん小さなミスはいつも通りあった。資産の3%程度を投資した銘柄が激しく下げた事もあった。
しかし「チャンス!」とばかりに運用資産の10%以上を投入した銘柄がストップ安となって爆死!というようなミスはなかった。
突然のMSワラント発行、突然の増資、想定を超えた下方修正。
そんな凶悪なニュースで被弾する事もなかった。これは運がよかった。
そして年の後半から始まった上げ相場に上手く乗ることが出来た。
動き出した相場に飛び乗ったわけじゃない。私には器用に相場を渡る能力はない。
初めから立っていた場所に流れがきて、ぐいぐいと上の方に持ち上げられていっただけだ。システムディ、日本リビング保証、ウィザスなど、株価が底を這っていた銘柄たちが目を覚まして舞い上がってくれたんだ。
3.猟師のタイプ
立っていた場所に流れが来ただけ。これは運がよかったんだ。
でも流れが来そうなところを選んで立っていた。立っている場所を選んだのは自分の判断だ。完全に運だけで儲かったわけじゃない。
投資家を猟師に例えると3通りに分けられると思う。
① 回遊タイプ
② 待ち伏せタイプ
③ 罠タイプ
この3つだ。
もっとかっこいい分類名も付けられるような気もするが、寝不足で頭が働かない。
私は③の罠タイプの猟師だ。
獲物が通りそうな場所を考えて、そこに罠をしかけておく。ときどき巡回して、獲物がかかっていないか確認する。かかっていたら儲かる。かからなかったら何も起こらない。時々は罠にしかけておいたエサだけ取られて悔しくなる。
そんな猟師だ。
獲物が通りそうな場所を選ぶのが、罠タイプの猟師のスキルの大部分を占める。
今年はしかけた罠にたくさん獲物がかかった、という訳だ。
この猟師の話は長くなりそうなので、また後日続きを書きます。
4.来年の課題
年末にかけてウィザス、システムディ、日本リビング保証などの株価が上がってきた。
このチャンスをどこまで利用できるかが、来年前半の最大の課題になるだろう。
つまり、どのくらい引っ張って株価を伸ばしてから売るかだ。せっかくチャンスが来たのだから早売りは論外。いずれの銘柄も秘めたポテンシャルは大きい。伸ばせるだけ伸ばしたいが、日本の株式市場全体のドローダウンに巻き込まれる事もありうる。伸ばすのはそんな簡単な話じゃない。
どちらにしても天井で売ることは不可能だ。そう言いながらもなるべく伸ばしてから売りたい。最初の3ヵ月くらいで来年のパフォーマンスが大きく変化するだろう。気を引き締めて相場に向かい合いたい。
そんなことを考えている大晦日の夕方です。
とりあえず今年もお疲れさまでした。
よいお年を!
猟師といえばこの漫画。とても面白いです。
アニメ化もされたソウナンですか?
山賊ダイアリーの著者が原作を書いてます。
正月休み中にぜひ。
手術や投資が上手くなりたい方へ⑥・・・メンタル面について
1.年末デスマーチ
今年の年末年始は9連休、という職場も多いと聞く。
12月27日に年内の仕事を終えれば次に出勤するのは1月6日。うらやましい限りだ。
しかしカレンダーの休日が減ろうが増えようが病人の数は変わらない。私のような医療従事者の場合、カレンダーに記された休みのマークが増えれば増えるほど前後の平日は仕事が苛酷になる。
その上病院の職員に流行した風邪が年末年始の労働人口を減らした。その結果、生き残った人間の労働強度を更に上げた。
そんなわけでブログを書く体力を残すことができず、更新が滞った。
ちょっと落ち着いたので、ようやく以前の記事の続きを書きます。反響は相変わらずほとんどありませんがw。
2.手術中の出血について
手術が上手い人とは以下の要素がそれぞれ高い人だと書いた。
① 縫合、結紮、剥離、切断などの基本的な手技が上手い
② 人体の立体的な構造への理解が深い
③ こんな時はこうすればいい、というような「引き出し」が多い
④ 出血時などの急な変化にも対応できる対応力を持つ
⑤ 大量出血などの危機にも落ち着いて対応できるメンタルを持つ
今回は⑤の、危機にも落ち着いて対応できるメンタルについて書きます。
手術中の出血は怖い。
人間はたくさん出血すると死んでしまうが、手術室で人が亡くなることはほとんどない。手術中は輸血の準備もされているし、様々な薬品がすぐに投与できるように用意されている。手術中に亡くなる可能性より道を歩いていて交通事故で亡くなる可能性の方がずっと高い。
それでも術者にとって出血は怖い。出血は本能的に怖いもの、なんだろう。
わかりやすい場所の血管が切れて出血するのは怖くない。直ちに結紮すればすぐに止血する。しかし出血点が分からない場合、血を止めるのは難しい。すぐに出血点を見つける必要があるが、なかなか見つからない事もよくある。そしてあふれてきた血そのものが術野を覆い隠して、ますます出血点が分かりにくくなる。出血点らしき場所を縫合して止血しようとすると、逆に周囲の血管や臓器を傷つけてしまう事もある。さらに出血し出血点が分かりにくくなって、泥沼にはまる。
そんな時、執刀医は全身に汗をかく。心拍数が上昇し、呼吸が浅くなる。瞳孔が開き、喉がカラカラになる。全身の筋肉が無意識に収縮し、次の日の肩こりと全身筋肉痛が約束される。
突然の大出血を起こしたとき、多くの駆け出しの医者は硬直して体が動かなくなる。しかしその間も出血は続く。状態はどんどん悪くなる。
ここまでの状況に陥ると、自力で立て直すのは大変困難だ。
だいたいは同じ手術に入っている先輩の医者がなんとかしてくれるのだけど、その経験はトラウマになる。長い間その医者を苦しめることになる。
だから出血は怖い。
3.市場全体の暴落、あるいはストップ安
外科医に出血の怖さがあるように、投資家にも暴落の怖さがある。市場全体が暴落する事もあるし、集中投資している株のストップ安というものもある。
毎日毎日株価が下がり、月給以上のお金が1日ごとに減っていく。これもなかなかつらい経験だ。1ヵ月分の給料が毎日消えている中で、その30分の1の給料を稼ぐために一日中仕事をするんだ。なんだか人生の意味を考えたくなってくる。
手術中の出血なら誰かが止血してくれるかもしれない。でも投資は自分で全て対応するしかない。個人投資家はすべての判断を自分自身で下さなくてはいけない。
ようやく株価が底を打った時、我慢できずに売る。
売った場所が一番の底値で、その直後に株価が反発して大きく戻す事もよくある。
売らなければ損はずっと少なくて済んだのに・・。
この往復ビンタで更に精神的なダメージを食らう。もう株の事なんて見るのも嫌になる。そうやって退場していく。
株をやって破産して退場する人は、多分、とても少ない。このような精神的なダメージによって投資が嫌になって退場する人がほとんどだ。
4.メンタルを鍛える?
出血にも大暴落にも耐えられるメンタルを持つにはどうすればいいか?
瞑想したり、滝に打たれたり、イメージトレーニングをしたりすればいいのか?
私は、メンタルを鍛えるのは難しいと思っている。
精神力に頼るのは悪手だ。太平洋戦争中の日本軍と同じだ。
追い詰められた主人公が気合と根性で逆転して敵を打ち負かす。そういう状況は少年ジャンプの中で、読者として楽しむ程度にとどめておく。
精神力に頼るような状況になる前に、知力や体力をつかってそれを回避しよう。
精神力を鍛えるのは大変だ。知力や体力を鍛えるのも大変だけど、その方法が確立されている。それなら事前準備がしやすい知力や体力を鍛えるべきじゃないだろうか?
手術なら術前に出来る準備をしっかりしておく。スキルを磨き知識を深め、術前検査の画像を読み込んでよくよくイメージした後で手術に向かう。そうすれば大量出血が起きる事態も減るだろうし、出血した時も止血しやすくなる。
わざわざ大量出血という死地に踏み入れる必要なんてないんだ。
株なら投資対象の企業をよく調べる。暴落の原因について冷静に考え、それが一時的なものなのか恒久的なものなのか判断する。
一時的なものだと判断できたのなら、そのまま売らずに持ち続ければいい。かなりの確率で株価は戻る。
恒久的な原因で株価が下がったと思うならとっとと売る。投資に全勝は存在しない。すべての投資が上手くいく事などない。桶狭間の戦いで圧勝した織田信長の軍にも戦死者はいる。全ての兵が勝つわけじゃない。全体で勝てばいいんだ。
そんなスタンスで投資や手術を続ければいい。精神だけを鍛えるのは難しい。
続けていればそのうち経験も増えるし、腹も据わってくるから。
↑ メンタルを鍛えるより筋肉を鍛えましょう、という本です。
筋肉がつけばメンタルも自然と鍛えられる、という筋トレ至上主義、筋トレ万能主義者のお言葉が書かれています。未読の方は是非。
投資や手術が上手くなりたい方へ⑤・・「センス」の正体
1.上手くなりたいか、と彼は聞いた
前回の記事を書きながら思った。
そもそも「投資や手術が上手くなりたい方へ」ってなんだよ?上手くなりたくない奴なんていないよ。投資家だったら誰だって投資が上手くなりたいし、外科系の医者なら誰だって手術が上手くなりたいに決まってる。このタイトルがそもそも無意味じゃないのか?だから反響がないんじゃないか?
こういう風にすぐ自分のやっている事に迷いが出てくるのは私の癖だ。
でもしばらくしてこのように思い直した。
「投資が上手くなりたい」っていうのはある意味本質を突いているかもしれない。「お金をたくさん儲けたい人へ」だったらより一般的だけどそうは書かなかった。株式投資を正しく「鍛錬して習得するスキル」とみなして、その努力する方向を提案するのなら意味があるのかもしれない、と。
という訳で、飽きたと書きながらももう少し続けます。
手術が上手い人とは以下の要素がそれぞれ高い人だと書いた。
① 縫合、結紮、剥離、切断などの基本的な手技が上手い
② 人体の立体的な構造への理解が深い
③ こんな時はこうすればいい、というような「引き出し」が多い
④ 出血時などの急な変化にも対応できる対応力を持つ
⑤ 大量出血などの危機にも落ち着いて対応できるメンタルを持つ
今日は③と④についてまとめて書く。というか、③と④は同じことを書いているだけだと気付いてしまったのでまとめてしか書けない。
2.知らない町の交通障害
手術中は予想外のことがしばしば起こる。顔の作りがひとりひとり違うように、お腹のなかにも個人差がある。血管や神経があるはずの場所になかったり、本来片側1本しかないはずの尿管が2本あったりすることも珍しくない。腫瘍や癒着で腹腔内の立体構造が全く変わっていることはしょっちゅうだ。
そのようなときは教科書通りの手術ができない。駆け出しの執刀医はそこで思考がフリーズしてしまう。
これは事故や天災で交通障害が発生したとき、事前に決めた予定通りの路線では目的地にたどり着けないのと似ている。
こういう時、路線図に詳しい地元の人はすぐに代わりの電車を使うことができる。それに対して土地勘のないよそ者は右往左往するしかない。
今ならスマホのアプリを使えば代替の電車はすぐに検索できる。だけど手術中につかえるそのような便利なアプリは存在しない。駆け出しの医者は経験を積み上げていき、何があっても目的地に着けるように土地勘を身に付けるしかない。
引き出しを増やすというのはこういう事だ。
そして④の急変時での対応。これは③に時間の圧力がプラスされた状況だ。
手術中に進め方がわからなくなっても、立ち止まって考える事はできる。しかし急な出血時にはそうはいかない。考えている内にどんどん出血が続くのだから、早急に対応する必要がある。
その時間の圧力と、精神的なプレッシャーと、出血による術野の悪化。これらが次々連鎖反応を起こしてどんどん状況が悪化していく。これはとてもつらい。全身にたっぷり汗をかいて術衣が重くなるほどだ。
このような状況においても、対応するための知識・技術が引き出しの中にあれば切り抜けることができる。引き出しの中にあるものの中で、その状況に対応するための道具を適切に選んで使用する。適切に選ぶ判断力も重要だが、引き出しの中が空っぽならそもそもどうしようもない。
3.投資に当てはめてみると
手術が上手くなるための要素である上記の内容は、そのまま投資についても応用できる。説明は不要かとも思われるが、一応書く。
④ こんな時はこうすればいい、というような「引き出し」が多い
⑤ 暴落、下方修正などの急変時の対応力がある
相場環境は常に変化する。世の中は常に動いているし、会社の業績も同じであるはずがない。教科書通りに株価が動いてくれれば楽だけど、なかなかそうはいかない。交通障害の発生どころか、そもそも時刻表がない状態で運行している電車で目的地を目指すようなものだ。
だからこそ土地勘が必要になる。
暴落や下方修正などの急変時はなおさらだ。お金が減っていくプレッシャーの中で、短期間の内に判断して対応する必要があるのだから。
「こんなときにはこうすればいい」という引き出しの中の道具を充実させること。それらの道具を正しく判断して使う判断力を身に付けること。
この2つは、手術でも投資でもとても重要なんだ。
4.「センス」の正体
その場その場での正しい判断力のことを「センス」と呼ぶのだろう。
手術のセンスがない、株式投資のセンスがない、などとあいまいな言葉で分かったような事を言う人はどこにでもいる。そのセンスとやらの正体は「判断力」だ。大した事は言っていない。センスを身に付けるとは、判断力を身に付けることだ。
それでは判断力を身に付けるにはどうすればよいか?
上手い人の手術を見たり、動画を見たり、教科書を読んだりする。その上で経験を積む。そして振り返って反省する。この繰り返しだ。PDCAサイクルっていうやつだ。
P:こうすればいいのかな?
D:やってみる
C:どこが良かった?どこが悪かった?どうしてこうなった?
A:次はこうやってみよう
これを繰り返すんだ。
お勧めはこれらの思考過程を手書きで残すことだ。
手術をしたあとは「手術記録」というものを書く必要がある。それを書くのはもちろんだけど、それにプラスして自分用の記録を作ることをお勧めする。
公文書でもあるカルテや手術記録は実際にやったことしか書けない。自分用の記録なら「こうやるべきだったのかもしれない」「次はこうやってみよう」という事も書ける。手書きならイラストも追加できる。
この記録を、なるべく記憶が鮮明なうちに書き残す。そうすればより早く定着する。
私は医者になってからずっとこの自分用の手術の記録を続けている。ルーズリーフノートに手書きで残している。もう何百枚あるかわからない。この習慣はずっと続けていくつもりだし、そのお陰で手術が上手くなった部分もあるはずだ。
同じように投資の履歴も残すべきだ。
なぜその企業を買ったのか?どの部分に惹かれたのか?その株価を安いと考えた理由は?不安な点は何か?どのくらいの投資期間を考えていたのか?どのくらいの値上がりを想定していたか?撤退する条件は何か?
買う前に考えていることをノートに書く。記憶は役に立たない。すぐに自分の都合の良い方へ記憶を書き換えてしまう。
そして実際に売買する。
結果はどうだった?上手く行ったのか行かなかったのか?売った時の考えは?その時の気持ちは?
記録は正直に書く。見るのは自分だけだ。twitterじゃないのだから、取り繕う必要はない。良かった点、悪かった点を洗い出していく。
そうやって取引の記録をつけておけば、迷いがなくなる。経験が正しく蓄積されていく。投資の「センス」とやらが身に付いていくはずだ。
5.まとめ
・センスとは判断力のことだ
・判断力は勉強と経験によって身に付けることができる
・経験をより正しく蓄積するために記録を付けることを強く勧める
・センスっていう言葉は嫌いだ
平均的な才能を持つデザイナーである主人公が、不幸にも天才に出会ってしまったためにさんざん苦労してしまう話です。まだ10巻までしか出ていませんが、自分の才能につて悩んだことがある社会人にはかなりの確率で刺さります。もちろん私には刺さりまくりでした。
投資や手術が上手くなりたい方へ④
1.手術の要素
既にこのシリーズを書くことに飽き始めた。反響もほとんどない。年寄りの昔話は長い、と思い始めている人もいるんじゃないかと心配にもなってくる。
でも書き始めたからにはもう少し続けてみたい。読みたくない人は飛ばしてくれるだろうから気にしないでおく。年寄りは自分に都合の悪いことは気にしないのだ。
手術が上手い人とは以下の要素がそれぞれ高い人だと書いた。
① 縫合、結紮、剥離、切断などの基本的な手技が上手い
② 人体の立体的な構造への理解が深い
③ こんな時はこうすればいい、というような「引き出し」が多い
④ 出血時などの急な変化にも対応できる対応力を持つ
⑤ 大量出血などの危機にも落ち着いて対応できるメンタルを持つ
今回は、② 人体の立体的な構造への理解が深い、の要素について書く。
2.血管の名前
医学部に入学すると、2年生に上がるころには解剖学が始まる。そこで人体の骨、筋肉、神経、血管、臓器などの位置や形を勉強する。臓器の機能や病気について学ぶのはその後だ。これらは基本なので、医学の授業の最初の方で学ぶ。
その後座学を終え、5年生になると臨床実習が始まる。医学生も医師と一緒に手術に入る。手術中、余裕がある時は学生が退屈しないように質問する。
「はい、いま血管を切断しました。この血管の名前はなんですか?」
このような質問をしても答えられるのは3割くらいしかいない。
既に教科書では十分に勉強しているはずの学生でも、実際の臓器をみるとそれが何なのか分からない。
教科書はわかりやすいイラストや写真で解説されている。しかし実際の人体は医学生に気を利かしてわかりやすくしてくれない。血管は脂肪その他の結合組織に埋まっているし、しばしば蛇行している。個人差もかなりある。だから実際の人体の内部を見慣れない人は、血管1本の名前すら出てこない。
ひとつの血管を同定するだけでこれだ。
そして実際の人体は当然だが立体構造になっている。写真やイラストは平面だ。手術を執刀するためには立体構造を理解している必要がある。
ビルのダクトや天井裏を走っている無数のパイプや電線をイメージしてほしい。それが地面の中に埋まっていると考えればしっくりくる。表面からはどこにどんな神経や血管が走っているかよく見えない。工事をするときは、地面に埋まっている水道管やガス管、電線などの走行を立体的に把握しておく必要がある。
わかっていないと不必要にシャベルで掘り返して、重要な電線を切ってしまうかもしれない。手術なら重要な血管や神経や尿管を切る。しかし血管や神経の走行は個人差も大きく、なかなか熟達するのは大変だ。でもこれができない医師は、手術を執刀するレベルに達していないと判断される。
教科書での知識は重要だが、それを実際の臨床で使うことができるレベルまで引き上げておく必要がある。
3.経済全体の動きや投資家の感情・行動に詳しい
ここで投資の話に戻る。
株式投資をするのなら、社会全体・経済全体の動きを把握しておく方が有利だろう。
イギリスがEUを脱退した、金利が上がった下がった、アメリカと中国との貿易交渉が進んだ、それについてトランプ大統領がTwitterでなにかつぶやいた、北朝鮮がミサイルと飛ばした。
そういった事で株価は上がったり下がったりする。
投資している企業とは全く関係ないニュースで株価が下がる。これはとても不愉快なことだ。国内のみで展開している学習塾の業績が米中の貿易交渉と何の関係があるのだ?そんなことで持ち株の株価が下がるのは理不尽甚だしい。だれかトランプのtwitterアカウントを凍結しろ。なんなら乗っ取ってしまえ。
そんな風に思えてくる。
しかし現実はそういう風にできている。望む望まないに関わらず、トランプのtwitterは株価に影響する。変えられない現実は受け入れるしかない。
世界の流れを読んで先回りして投資をするのはそれほど勧めない。半年後の未来なんてなかなか予測ができない。
ならば株価変動の理由が後から理解できるだけで十分じゃないだろうか。
「あー、北朝鮮の核実験で日経平均がだだ下がりだ。だから俺の株も下がっているんだな」と。
所持している企業になにか不祥事が起こった?とか、次の決算の悪い数字が漏れていてインサイダーが売ってる?とか不安にならずに済む。
短期的な社会の流れは読みにくいが、長期的には読みやすいこともある。
「長期の方が読みやすい?逆じゃない?来週のことがわからないのに10年後の事がわかるの?」
という疑問を持つ方もいるかもしれない。
明日が暖かいか寒いかはわからないけど、10月頃に2か月後の気温が今より高いか低いかは予想がつくだろう。
短期的な世の中の動きは読みにくいのだけど、5年後10年後の未来はある程度予想がつく。社会の動きを読むなら長期目線の方がやりやすいんだ。
あとは投資家の心理について。
これは様々な研究がされていて、本も沢山出ている。
少しずつ読んで勉強していくといい。
4.まとめ
「世の中の動きや投資家の感情・行動に詳しい」などと、とんでもなく大きな範囲の話をし始めたことに気が付いた。投資家の感情と行動だけでも何十本もの記事が書けるだろう。なんてことを書き始めたんだろうと、途中からうんざりしてしまった。
結局手術も投資もたくさん勉強してたくさん実践しろ、という結論になった。
努力せずにお金を稼ぐ方法なんて存在しない。
努力なしで手術が上手くなる方法もない。
がんばれ。
ちょっと投げやりな感じを受けるかもしれないが、がんばれ。
投資家の感情を理解するための学問として「行動経済学」というものがあります。行動経済学の最初の一冊としてお勧めします。そんなに難しくないです。
手術や投資が上手くなりたい人のために③・・基本手技
1.手術が上手い人とは
前回、手術が上手い人とは以下の要素がそれぞれ高い人だと書いた。
① 縫合、結紮、剥離、切断などの基本的な手技が上手い
② 人体の立体的な構造への理解が深い
③ こんな時はこうすればいい、というような「引き出し」が多い
④ 出血時などの急な変化にも対応できる対応力を持つ
⑤ 大量出血などの危機にも落ち着いて対応できるメンタルを持つ
これらの要素を掛け合わせた数値が高い人は手術が上手い。
ならば手術が上手くなるためには、上記の要素をひとつひとつ高めていけば良い。
どうやってこれらの要素を高めていけばよいのか。それをこれから順番に書いていきたい。
あ、投資のことも書くので安心してください。
2.縫合して結紮する
まず一番最初の要素、
① 縫合、結紮、剥離、切断などの基本的な手技が上手い
を見ていこう。
手術で使う道具で一番メジャーなものはメスだろう。「いらすとや」での検索でもすぐに画像が出てきた。
しかし本当の手術ではイラストのようなメスはほとんど使わない。メスを使うのは一番最初の皮膚を切開する時くらいだ。
実際によく使う道具は、長攝子(「ちょうせっし」と読む。長いピンセット)、クーパー(ハサミの一種)、持針器(縫うための針を持つ道具)、電気メスなどだろう。これらの道具を使って何度も何度も切って縫合して結紮していく。
手術では、これらの作業を延々と繰り返す。
この基本的な手技が出来ないと手術はできない。どれだけ知識があっても、思った通りの場所を切ったり縫ったりする技術がないと役に立たない。
基本的な技術を高めるために、頭の良さは全く必要ない。
ひたすら馬鹿みたいに練習するのみだ。
私の場合、医師になって4年くらいは毎日のように練習していた。
古くなって使わなくなった持針器や長攝子やクーパーを、手術室の重鎮看護師さんにお願いして譲ってもらった。針や糸も使用期限切れで廃棄予定のものをいただいた。
探してみたらまだ押し入れに入っていた。ちょっと錆びてしまっているが、これらの道具を使ってひたすら縫合、結紮の練習をした。
縫うのは100円ショップで売っている台所用のスポンジとか、UFOキャッチャーで取れるぬいぐるみだ。毎日寝る前に最低30分、実に地味な練習を続けていた。
「少なくとも練習をしている時は前に進んでいる」
そう考えると悩みも少しは薄らぐ。自分にはセンスがない、などと無駄に悩まずに済む。日々小石を積み上げていき、天まで届く階段をつくっていくイメージだ。
BGMはFANKY MONKEY BABYSの「ガムシャラBOY」でお願いしたい。
3.投資における基本的手技とは
手術と比較すると、投資に必要な技術はぼんやりしている。
投資で必要な技術はマウスでのクリックのみだ。それさえ出来れば株式投資はできる。だからこそ基本的な練習をせずに気軽に始めてしまうのだろう。
運や地合いがよければそれでも儲かってしまう。しかし運も地合いもよい状態が永遠に続かない。いつか潮目が変わり、大きくお金を減らして退場していく。
長く投資の世界で生き残るためには技術が必要なんだ。
投資のスタイルによって基本手技に相当する技術は様々だろう。
しかし私のような中長期の投資家にとっては、決算書を読む技術こそが基本手技だと断言できる。
企業がどのようなビジネスを行っているのか、どのくらい儲かっているのか、今後の見通しはどうなのか。
そういう事を把握するためには、会計の知識やビジネスモデルの理解が必須だ。
会計もビジネスモデルも、もの凄く奥が深い。少しずつ身に着けていくしかない。
そのためには決算書を読まなくてはいけない。決算書や企業説明会資料などをたくさん読んで「読む技術」を身に着けていく。
日本には3691社の上場企業がある。それらの全てはネット上で決算書を読むことが出来る。練習の材料には事欠かない。
自分もそんなにたくさんの企業をフォローしているわけではないのだけど、もっと多くの企業を調べていく必要があるとは常に思っている。
しばらくこのシリーズが続きそうです。
あんまり人気はでないだろうと思っているんですが、重要な事ばかりなので。
そういえば 明後日が四季報の発売日ですね。
買う予定のある方はぜひ。
手術や投資が上手くなりたい人のために②
1.まず目的地を決める
目標は具体的である必要がある。
暖かい南の島に行きたい、と思った場合。
その希望を口にしただけで、誰かが旅行を企画してお金も出してくれて手続きも全てやってもらえる上に案内までしてくれる。
そんなアラブの王様のような恵まれた人も世の中にはいるのだろうけど、普通は自分でやる必要がある。
少なくとも「こんどの冬休みに」「パラオに行く」というように、具体的な目的地と日時を決める。そうじゃなければ行動に移れない。
「手術が上手い医者になりたい」という希望も、具体的な姿を描く必要がある。
「とにかく手術が上手くなりたい」というのは具体性に欠ける。行先すら明確じゃないのにどうやって行動に移すことができるのか。
という訳で、まず具体的な「手術が上手い医者」のイメージを描。
「ブラックジャックみたいな医者になりたい」
そうですか。普通のレベルに達していない医者がいきなりブラックジャックを目指して上手くいきますか?そもそもブラックジャックはフィクションですよ。
「年利100%程度をコンスタントに稼ぐ投資家になりたい」
・・・馬鹿なの?
上に例をあげたような目標は、目的地として「蓬莱山」を選ぶようなものだ。
せめて現実に存在する土地を目的地として選んでほしい。
夢のない話をするようだけど、化け物になる必要はない。
「普通のレベルで手術ができる医師」は十分に貴重だし、人を救える。
「年間 +15%のパフォーマンスをコンスタントに上げる投資家」は十分にすごいし、十二分にお金持ちになれる。
巨万の富を築いて自前のロケットで火星まで旅行したい訳ではないでしょう?
そもそも普通に切れる外科医にも普通に稼げる投資家にもなれていないですよね?
化け物になる方法は知りません。私は普通の人です。
そして、たとえ化け物になる方法を知っていたとしても、教えることができないんじゃないかと思います。
2.手術が上手い人とはどんな人か
では、目的地とそこまでの行き方を更に具体的なものに落とし込んでいこう。
「普通に手術が上手い人」とはどんな人なのか?どんなことが出来れば上手いと言えるのか?そのためにはどのような研鑽を積めばいいのか?
まずは「手術が上手い人」を構成する要素を分解して考えてみた。
駆け出しの頃に考えたのはこんな人だった。
① 縫合、結紮、剥離、切断などの基本的な手技が上手い
② 人体の立体的な構造への理解が深い
③ こんな時はこうすればいい、というような「引き出し」が多い
④ 出血時などの急な変化にも対応できる対応力を持つ
⑤ 大量出血などの危機にも落ち着いて対応できるメンタルを持つ
手術が上手い人とは、①から⑤までの要素を掛け算した合計値が高い人だ。
ポイントは、掛け算であることだ。
どれか1つでもゼロがあれば、その人の手術力はゼロだと思っていい。
3.投資が上手い人とはどんな人か
次に、投資が上手い人とはどんな人か?
「安定して良好なパフォーマンスを出す人が上手いんじゃないの?」
これは全くの正論。投資は結果がすべて。どれだけ世界経済動向や企業分析に長けた人でも、稼ぎがなかったら下手くそ投資家だ。
でもこれでは役に立たない。
「マラソンで優勝するためには一番先にゴールにたどり着ければいいんだよ。簡単じゃんw」
という言葉と同じくらい役に立たない。
だからもう少し因数分解してみる。良好なパフォーマンスを出せる投資家とはどのような人なのか?それを自分なりに考えてみた。
① 資金管理が上手い
② 会計やビジネスモデルなどの理解という基本的なスキルが高い
③ 経済全体の動向や投資家の感情・行動に対する理解が深い
④ こんな時はこうすればいい、というような「引き出し」が多い
⑤ 暴落、下方修正などの急変時の対応力がある
⑥ 暴落時でもひるまず、暴騰時でもおごらないメンタルを持つ
⑦ 運がいい
①から⑦までの掛け算の値が高い人が、優秀な投資家なんじゃないだろうか。
恐ろしいことに、投資は手術と違ってやろうと思ったその日からできる。ある程度のお金とクリックする能力さえあれば、サルでも稼ぐことができる(こともある)。
それが初心者を惑わせる。誰でも簡単にできると勘違いさせる。
そんな訳がない。
運よく地合いに乗って2年くらいは儲けることができるかもしれない。でも、コンスタントに儲けることは絶対に無理だ。上にあげた要素を高める努力が絶対に必要だ。
4.次回予告
なんかいつもより文章に使う言葉が荒っぽい気がする。
本業にも関わる事なので熱くなってしまうのかもしれない。まあ、あんまり気にしないで下さい。
次回、それぞれの項目に対する研鑽方法について書きます。
掛け算なのだから、ひとつひとつの値を上げていけばいいんです。そうすれば「手術力」も「投資力」も飛躍的に向上する。
そういう理屈です。
↓ この本は結構勉強になりました。駆け出しの外科系の医師がこのブログを読んでいる可能性などほとんど無いと思いますが紹介してみます。
それと、この本の値段を確認してみてください。医学書の中ではとても安い部類です。貧乏な研修医は泣きながらこういう本を買い込むんです・・。