株の需要が湧いてくる?/一部昇格とコバンザメ投資法
人気に関わらず需要が湧いてきて株価が上昇する状況があるよ。
という話の続き。
1.一部に昇格が決まると
東京証券取引所に上場されている企業は3600社以上あるが、そのなかで2130の企業が東証一部に上場されている。東証二部は494社、マザーズは276社、JASDAQ(ジャスダックと読む)は736社だ。
マザーズとJASDAQは、出来たばかりの若くて小さな会社が上場する市場だ。これらの若い会社が順調に成長していくと、やがて二部や一部に昇格する事もよくある。
このあたりの日本の株式市場の仕組みについては以前書いた。
マザーズやJASDAQに所属していた企業が一部に昇格すると、その株の需要が増える。その結果、株価が上がることがある。
それを利用した投資法が存在する。「コバンザメ投資法」というやつだ。
2.コバンザメ投資法とは
コパンザメは知っているだろう。頭部に吸盤が付いている小型のサメで、ジンベイザメなどの大型のサメの腹に吸着して生活するサメだ。巨大なサメと一体化することで天敵から身を守りつつ、おこぼれも頂いて楽しく生活するサメだ。
このサメと同じように、巨大な資金と一緒に動いてそのおこぼれを頂く投資法を「コバンザメ投資法」という。
その具体的なやり方を順番に書く。
マザーズやJASDAQに上場している企業が一部に昇格すると、その企業はTOPIXを構成する事になる。TOPIXとは、東証一部に上場している企業の時価総額から算出される数字だ。東証一部に昇格するということは、TOPIXの指数を構成する一部分になることでもある。
このTOPIXに属する企業の株をすべて買う方法がある、という話を書いたのを覚えているだろうか?ETFというやつだ。
もう一度書くのはちょっとしんどいので、覚えていない方はこの記事を読んで下さい。
東証一部に昇格した企業はTOPIXの一部に組み込まれる。そうなるとTOPIXに連動したETFは、新しく昇格した企業の株を買わなくてはならない。
つまり、昇格することで自動的に株の需要が湧いてくる。そうなると株価が上がる。
ならば先に一部に昇格しそうな株を買っておけば、昇格と同時に株価が上がって儲けることが出来る。これがコバンザメ投資法だ。
つまりコバンザメ投資法とは、ETFをジンベイザメ、自分をコバンザメに例えているわけだ。
3.コバンザメ投資法を検証してみる
東証一部昇格によってどれほど株の需要が湧いてくるのか検証してみた。
一部昇格になった企業の時価総額を1,000億円としよう。
東証一部に所属する2130社の時価総額の合計は、5月31日の段階で608兆9000億円だ。
608兆9000億円の中に1000億円の企業が足されるわけだから、新しく昇格した企業のTOPIXに占める割合は
1000億円 / 609兆円 × 100 = 0.0164%
となる。
一方、TOPIXと連動したETFは野村證券が運営するものを筆頭に6つある。その6つを合わせた総額は、5月31日現在で18兆3710億円だった。
ETF以外にもTOPIXと連動した「インデックスファンド」というものもあるが、こちらは数十億円~数百億円の額しかない。
よってTOPIXに連動したETFとインデックスファンドを合わせ、ざっくり19兆円あると計算する。
19兆円のうち、新しく1部に昇格した会社の時価総額は0.0164%を占めるわけだから、
19兆円 × 0.0164% × 1/100 = 31億1600万円
つまり時価総額1000億円の企業に、31億1600万円の需要が湧いてくるわけだ。
この金額は、時価総額の3.116%に相当する。
時価総額1000億円で有名な企業を探してみると、1020億円の「東京ドーム」があった。プロ野球の巨人軍本拠地、東京ドームを運営している企業だ。
この東京ドームの5月31日の出来高(1日あたりの株式取引額の合計)は3億4800万円だった。31億円分の株を買うためには、10日分の売り注文を全て買い占める必要がある。
それなら株価も上がりそうだ。
ちなみに、この一部上場による需要のインパクトは時価総額に左右されない。
なぜなら、時価総額2000億円の企業が昇格した場合は
2000億 / 609兆円 × 100 = 0.0328%
19兆円 × 0.0328% × 1/100 = 62億3200万円。
62億3200万円 / 2000億円 × 100 = 3.116%
このように、ETFの買いは時価総額に関わらず3.116%になるからだ。
実際に計算してみると、けっこう大きな影響がありそうな数字が出てきた。
4.実際に一部昇格した企業の株価はどうなっているか
需要の計算は以上だ。
理屈ではなく、実際の株価はどう動いているのだろうか?
2018年に一部昇格となった企業は48社ある。そのなかのいくつかのチャートを実際に見てみよう。
チャートの中にある赤い矢印が昇格したタイミングだ。
9/27昇格 アイ・アールジャパンホールディングス
10/31昇格 Casa
12/7昇格 スマートバリュー
そして私の持ち株でもあるプレミアグループ
12/25 昇格
12/11に昇格 南陽
適当に5つの企業のチャートを載せてみた。赤い矢印が一部昇格のタイミングだ。
どうでしょう?上がっているやつはありますか??
昇格と同時にMSワラントの発行を発表したプレミアグループのチャートは論外としても、明らかに上昇している企業はないですね。
一部昇格した銘柄は以下のリンクに全部載っています。
根性のあるひとは是非、他の企業も確認してみてください。
5.どうしてこうなるか
需要の計算通りなら株価は上昇しても良さそうだ。でも、実際は全然上昇していない。
これはTOPIX連動のETFを運用している人が、上手に買いを入れているからだろう。
TOPIX連動ETFと言っても、昇格したその日に株を買わなければいけないわけではない。その前後に買えば十分だからだ。
採用された企業にとっては3.116%のが買われるわけだけど、TOPIX全体にとっては時価総額1000億円の企業の株など0.0164%に過ぎない。0.0164%の影響しかない株など、TOPIXの連動にはほとんど影響しない。ただの誤差以下だ。
極論を言えば数年間買い忘れていても誰も気付かないだろう。
だから安い時に買っておけば問題ない。そんな風にETFは運営されていると推察する。
コバンザメ投資法とは2000年頃に「J-Coffee」という方が開発した投資法だ。
2000年頃にはインデックスファンドのマネージャーもバカ正直に昇格した株を買っていたのだろう。
そんな事をする必要がないことに気付いて、現在は一部昇格による需要はほとんど株価に影響しなくなっている。
コバンザメ投資法は、もうその有効性が無くなった過去の投資法だと言えるだろう。
↓ まだ本は売っていますね。参考までにどうぞ。
どんな時に株の需要が高まるか/自社株買いとTOB
1.株の需要が高まる時は
前回、買いたい人が多くなると株価は上がり、売りたい人が多くなると株価が下がる、という話を書いた。つまり株の需要と供給の量で株価が決まる、という話だ。
ものの値段は需要と供給で決まる、という事を最初に説明したのはアダム・スミスというイギリスの哲学者だ。1776年に出版した「国富論」という本に書かれているので、240年以上前の事になる。
アダム・スミスがせっかく考えてくれた話だけど、すぐに役立つ話ではない。
人気が出れば欲しがる人が増えて株価が上がる、じゃあどんな株がこれから人気が出るんだ?売上や利益が増えていく会社か?最近の時代の流れに乗っている会社か?
それを考えるためには結局ビジネスモデルとか決算書とか、地味な調査が必要になってくる。
でも、人気に関わらず確実にその銘柄の需要が高まるイベントというものは存在する。需要が高まれば当然株価は上がる。つまり、確実に株価が上がるイベントというものが存在するんだ。
それを順番に見ていこう。覚えておいて損はない。
2.自社株買いが実施される時
「自社株買い」とは、企業が自分の株を買うことだ。
企業が稼いだお金の一部は、企業内にストックされる。そのお金を使って、企業が自分の株を買うことが出来る。それを「自社株買い」と言うんだ。
自社株買いをすると、市場に出回る株数が減る。発行済株式数が減ると、一株あたりの企業の取り分が増える。その結果、一株当たり純資産も増えるし、一株当たりの利益も増える。
かなり前だが、増資の話を書いた。自社株買いというのは、簡単に言えば増資の逆だ。
自社株買いのメカニズムがピンとこなくても、企業自身が株の買い手になるという事はわかるだろう。株の買いが増えるのだから、その株の需要が高まる。だから株価は上がる(あるいは下がり方がマイルドになる)。
最近の有名な企業としてはソニーの例がある。ソニーは2019年5月16日に自社株買いを発表した。
その発表を受けて株価は上がった。
・・・すぐ元に戻ったけど。
まあ、この時の株価は需給が良くなって上がったわけではない。自社株買いの発表で投資家の人気が高まって上がっただけだ。実際、ソニーは「来年の3月31日までに自社株買いをする」と発表したので、もしかしてまだ一株も買っていない可能性もある。
でも自社株買いをするんだから、今後安くなった時には会社が買ってくれるだろう。株価下落は限定的になる可能性が高いと思う。
3.TOBが決まった時
TOBとは何か?
TOBとは「Take over bit」の略だ。・・・と言われても全然ピンとこない。
TOBとは「株式公開買い付け」の事だ。・・これなら日本語だから少しわかる。
例えば、ある会社が別の会社を買収して子会社にしたいと考える。
このブログでは何度も書いているが、株を買うことは会社を買うことだ。ある会社を買収して子会社にしようと思ったのなら、その会社の株を全部買ってしまえばいい。
でも市場でちまちま株を買っていっても、全部買うのは不可能だ。買い進めているうちに自分の買いでどんどん株価が上がってしまうのも好ましくない。だからTOBを行う事にする。
カレーショップチェーンを展開する「くまカレー社」の買収を考えた会社があるとする。くまカレー社を買収するためには、その株をすべて買えばいい。くまカレー社の株価は1,000円、発行済株式数は100万株だ。だから時価総額は10億円になる。
くまカレー社の株を集めようとすると、自分の買いが株価をどんどん上げてしまう。株主にとってはとてもありがたいが、買収しようとする企業にとってはとても困る。だから市場以外で株を買うことを宣言する。
「6月15日に、くまカレーのTOBを行います。株価は1,500円です。」
このように発表する。
1,000円の値段が付いている株を1,000円で買う、と宣言しても誰も応募しないだろう。普通に市場で株を売ったほうが早い。しかし1,500円なら売る人も多いんじゃないだろうか?だからTOBは、だいたい市場の株価より高い値段で行われる。
くまカレーのようにTOBの価格が1,500円と決まると、株価は1,490円くらいまで一気に上昇する。ちょっと待てば1,500円で買い上げてくれる株を、1,000円で売ってくれるような優しい人はいない。
「会社を買収したい」とは「その会社の株をすべて買ってしまいたい」という意味だ。すべての株を買いたいという圧倒的な需要が、株価を一気に押し上げる。
すべての株ではなくて、一部の株を買いたいというTOBも多い。安い価格でTOBが行われることもある。TOBは株主にとって、いつもありがたいニュースだという訳ではない。でも需要が湧いてくるんだから、株価が上がることが多い。
このTOBは割とよく行われている。 2018年は、一年間で52件のTOBがあった。
4.長くなった
需要が高まる時は他にもある。
でも長くなったので、次回に続く。
もう14年前の事件だから、中学生は知らないだろうけど。
株価が動く時・・・・株価は需給で動く
1.売る人と買う人がいるから株価が決まる
私のポートフォリオは、時価総額300億程度までの小型株を中心に構成されている。特に小型株を意識して選んでいるわけではないが、会社の事業が理解しやすく、成長の余地が大きいと考えられる株を選んでいると小型株ばかりになってしまう。
これまで紹介した銘柄の5月24日時点での時価総額は、マークラインズが255億円、プレミアグループが262億円、ウィザスが42億円、システム・ディが39億円だ。いずれも時価総額は小さい。
このような小型株をたくさん買おうとするときは、なかなか大変な事がある。売り物が出ないんだ。
日本の企業の中での時価総額トップはトヨタ自動車の21兆円だが、トヨタ自動車の5月24日の1日間の売買代金は211億円だ。これだけ活発に取引されていれば買いたいときにすぐ買えるし、売りたいときにすぐ売れる。
一方、ウィザスの5月24日の売買代金は599万円だ。こんなに少ないと買いたいと思っても簡単に買えない。売ってくれる人がいないのだから。
そういう小型株を強引に買い進めると、自分ひとりの少ない資金が株価を吊り上げてしまう。その銘柄の1日の売買代金の2割が自分の取引、という事すら起こる。自分の欲しい銘柄の株価を自分で上げてしまうことになるんだ。もっと買いたいのに。
売るときも同じだ。まとまった額の小型株を売るときは一気に売れない。少しずつ売らないと、自分の売りで株価を下げてしまう。
それでも売れるならまだマシだ。もともと売買代金の少ない小型株に悪い材料が出たときなどは、売り物ばかりが湧いてきて買い手が誰もいなくなる。
そうなれば値段が付かない。これがストップ安だ。
2.買いたい人が多いと株価は上がる
売り手の買い手の数で値段が決まるのは小型株だけではない。21兆円の時価総額を誇るトヨタ自動車もおんなじだ。買いたい人が多いと株価は上がる。売りたい人が多いと株価は下がる。そうやって日々の株価が決まっていく。
株価は需要と供給、つまり需給で決まるんだ。
決算発表が悪くて株価が下がった、上方修正が発表されて株価が上がった、円高になって株価が下がった、貿易戦争の懸念が上昇して日経平均が下がった。
日々こんなニュースが報じられる。投資家はニュースを聞いて、喜んだり哀しんだり興奮したりする。株価が動く理由はいろいろ報じられるが、本当のところはわからない。上方修正で株価が下がることもあるし、下方修正で上がることもある。そして全くニュースがなくても、株価は日々、勝手に動く。
でも売りが多いと株価は下がるし、買いが多いと株価は上がる。これだけは間違いない。
例えば「上方修正」というニュースが出たとしよう。普通ならいい話だ。
そのニュースを聞いても、
A:「これから更に業績が上がって株価が上がるに違いない。買おう」
B:「もっともっといい数字が出ると思ったのにこの程度か。売ろう」
と、全く逆の反応をする人がいる。
Aの反応をする人が多いと株価は上がるし、Bの反応をする人が多いと株価は下がる。そのバランスによって株価が決定するだけだ。
これは株に限らない。ちょっと前にドラえもんの王冠コレクションの話を書いた。王冠でもビットコインでも株でも、欲しがっている人が多ければ価格は上がる。
3.もっと高い値段でも欲しい人が増えると株価は上がる
買った株は上がってほしい。でも自分が買った価格より高い値段でも買ってくれる人が現れない限り、株価は上がらない。自分が買った後に欲しがる人が次々に出てくれば、株価は上がっていく。
マイナーだったアイドルや女優が、なんらかのきっかけでブレイクすることがある。出演した映画がヒットしたり、CMが話題になったり。私は芸能界については全く無知なので例を挙げる事はできないが、思い当たる人は思い出してほしい。
それと同じように、なんらかのきっかけでマイナーな株がブレイクすることがある。マイナーで誰からも見向きもされていなかった企業が有名になり、その株を欲しがる人が増加して株価がぐんぐん上がっていく。
これが理想的な展開だ。スカウトの人が将来の大女優やアイドルの原石を探すように、投資家は3800社を超える企業の山からお宝銘柄を探すんだ。
注目していたマイナーなアイドルがブレイクすると、ちょっと自慢できる。でも買っておいたマイナーな株がブレイクすると、自慢できる上にお金が儲かる。
お宝銘柄を誰より早く見つけ、ブレイク直前に大量に買いたい。
4.空売りしている人こそ仲間だ
これだ!と思って買った株だけど、簡単に上がる事はあんまりない。特にマイナーな株を買ったときは、ブレイクするまでに時間がかかる事も多い。下手すると何年間も待つことになる。それをずっと我慢して待つ。
そんな時、検討していたけど結局買わなかった株がぐんぐん上がったりする。買った株は上がらないどころか、じりじり下がっていたりする。それを我慢するのは精神的にきつい。株の利益の9割は我慢代、そんなことわざがあるくらいだ。
あまりにも株価が上がらないときは不安になる。果たして自分の企業分析は正しかったのか?何かとんでもない見落としがあったんじゃないか?大きな花を咲かせると思って水をやっているけど、実は雑草なんじゃないか?
不安になると他の人の意見を聞いて安心したくなる。TwitterやYahooの掲示板を見ると、自分と同じ気持ちになっている株主の言葉が並んでいる。それを読んで少し安心する。これだけこの株に注目している人がいるんだから大丈夫だろう、と。
でも掲示板でその株の事を褒めている人は、既に株主である可能性が高い。そして低迷を続けるその株に対し、待ちくたびれている可能性も高い。待ちくたびれている株主は、ちょっと株価が上がったら売ろうと考えていたりする。
売る人が多いという事は、株価が下がりやすいという事だ。
一方、同じ掲示板でその株をディスっている人もいる。こんなクソ株を持っている奴はアホだど、株主もディスる。アホだと言われれば腹も立つ。そうやって掲示板上で不毛な争いが勃発したりする。
その株をディスる人は、その株が下がってほしいんだろう。
株価が下がってほしいと願う人は、
① 待ちくたびれて売ってしまった元の株主か、
② 下がったら安い所で買いたいと思っている未来の株主か、
③ 空売りをしている投機家だろう。
①の、待ちくたびれて売ってしまった株主はもう無害だ。
②の、下がったら買おうと思っている人は味方だ。下がったら買い支えてくれるんだから、株主としてはありがたい。
③の、空売りをしている投機家は最高の味方だ。空売りした株は、かならず買い戻す必要がある。安くなったら買おうと思っている②の人より、確実に買ってくれるんだ。
株価は需給で決まる。
空売りの買い戻しであれ何であれ、買ってくれる人が多ければ株価は上がるんだ。
逆に、後は売るだけの株主がいくら居ても、株価は上がらない。
そう考えると、掲示板でクソ株クソ株とディスってくる人は貴重だ。株を買ってくれるのだから、彼らの存在は株価上昇のための燃料だ。
株価上昇したときは空売りしてた人々が退場しないよう、一緒に祈ろう。
損切りする時/勝率100%のレインメーカー
1.勝率100%のレインメーカー
雨乞い師、という職業が存在する。日照りで農作物の収穫が危うくなった時などに、雨を降らせるのが仕事だ。歴史上日照りや干ばつは繰り返し起こっており、飢饉が発生して沢山の人が亡くなっている。だから雨を降らすことができれば人々に感謝される。十分に職業として食っていけるだろう。
雨乞いのやり方はいろいろな流派があるんだろうけど、だいたい神様とかに祈る。神様とかに祈って雨を降らせてくれるようにお願いする。無事雨が降れば、雨乞い師は報酬を受け取ることが出来る。
雨乞いがうまくいって雨が降ればいい。でも雨が降らなかった時はちょっと嫌だ。怒り悲しむ村人にひどい目に合わされる前に、夜の闇に紛れて逃げなくてはいけない。村人にハッタリをかます話術と、逃げ足の速さ。この2つは雨乞い師にとって必須の能力だと考えられる。
適当な話を書いているけど、ここからは少し真面目な話。
絶対に雨を降らせることが出来る雨乞い師がいる。勝率100%で雨を降らすことができる。 その秘密はなにか?
「雨が降るまで祈り続ける」
これが答えだ。祈り続ければいつかは雨が降る。どれだけ晴天が続いていても、100日も待てば必ず雨が降る。日本であれば、だけど。
2.雨乞いの舞台が日本なら/会社が成長し続けるなら
いつかは雨が降り出す。それまで祈り続ければ勝率100%になる。
でも雨乞いの舞台がタクラマカン砂漠なら、これは厳しい。
雨乞い師をやるなら日本でやるべきだ。
そしてウィザスの話をまた持ち出す。
現在はすこし下がっている株価だけど、ずっと持っていればいずれ上がる。それは1ヶ月後かもしれないし、3年後かもしれない。ウィザスという会社が成長し続ける限り、必ず株価は上がる。株価が上がる日まで株を持ち続けていれば、必ず儲ける事ができる。勝率100%の雨乞い師と同じだ。
ウィザスという会社が成長しなくなって赤字を垂れ流すようになるなら、どれだけ待っても株価は上がらない。タクラマカン砂漠でどれだけ雨乞いの儀式を続けても、まとまった雨は降らないのと同じだ。
3.いつ負けを認めるか?
ではいつになったら負けを認めるのか?株価が下がった時、損切りをいつやるのか?
損切りして損を限定するのはとても重要なことだ。でも、株価が下がったという理由だけで損切りすることはない。
株を売る時は、
① 期待通り株価が上がって十分に儲かった時
② 予想していたストーリーが崩れた時
③ もっといい株を見つけた時
この3つだけで十分だろう。
① 期待通り株価が上がって十分に儲かった時に売る。これに解説はいらないだろう。
② 予想していたストーリーが崩れた時。これはとても重要だ。
前回書いたウィザスの株は、「第一学院高等学校の生徒数が増え、それに伴って経費はあまり増えずに利益だけがすごく増える」という予想のもとに購入した。たぶん生徒数は増えている。経費はそんなに増えないはずだ。だからしばらくすると上方修正がかかるはずだと考えている。
このストーリーは崩れていない。だから株価下落だけでは売る理由にならない。ストーリーが崩れない限り、いつかは株価が上がるのだから。
③ もっといい株を見つけた時。これはなかなか難しい。
本当に新しく見つけた株のほうがいいかどうかはわからないからだ。
でも圧倒的に安くて良い株を見つけた時は、資金を作るために持ち株を売る。これは株を売る理由になる。
雨乞いをやめる時は、
① 予定通り雨が降って報酬を受け取った時
② どうやら雨乞いの舞台が日本ではなくタクラマカン砂漠だったと気づいた時
③ もっと雨が降りそうな土地を見つけた時
この3つなんだ。
解説はいらないだろう。雨が降りそうな所で雨乞いをすればいいんだ。あえて砂漠で雨乞い師をする必要はない。そこが砂漠だと気づいた時は、逃げ足の速さを存分に発揮して逃げればいい。意地を張って砂漠で雨乞いをしても、雨が降る前に死んでしまう。
自分は砂漠で雨乞いをしていないか?
これは心のメモに書いておくべきだろう。
ウィザスの決算は悪くない賭けだった
1.ウィザスの決算による被弾と父の心配
前回書いたように、ウィザスの株価は決算後に下落した。425円まで買い上がっていたのに、本日(5月20日)の終値は391円だった。-8%の下落となったわけだ。
お金が減るのはとても哀しい。そしてつらい。
そして私にはそれ以外にも心配事がある。
このブログは基本的に、中学生の息子に読んでもらうために書いている。(もちろんそれだけでは寂しいので沢山の方々にも読んでほしいと思っている。)息子に投資を学んで欲しいからこそ、時間をやりくりしてブログを書いているんだ。
その息子がお金を減らしてばかりいる父を心配するかもしれない。
そして、お金を減らしてばかりいる父に幻滅し、そんな人から投資を学んでも仕方ないと考えるかもしれない。
それはとても、とても哀しい。
もちろん、今回株価が下落したウィザスに全資金を投入しているわけではない。今回の決算シーズンでも、持ち株のなかでも悪かった決算もあれば良かった決算もあった。それを受けて、令和になってからの20日間で私の投資資産は3.9%くらい上昇している。だから心配しなくていい。
ただ、成功した時よりも失敗した時の方が学びが大きい。だからこそ、ブログでも失敗した話をよく書いているんだ。
↓ 例
2.ウィザスを買い上がった時の心境
ウィザスの決算前日に書いた記事をもう一度読んでほしい。
特に、4.来期の数字を勝手に予想する、の部分だ。
読むのが面倒な人のために要約すると、
1.高校・キャリア支援事業は売上が伸びても経費はあまり増えない。
2.よって売上が上昇すれば、それより速いペースで利益が上昇する。
3.2020年度の高校・キャリア支援事業の営業利益は5億円アップするに違いない。
4.それを受けて、全社の営業利益は22億円にアップする。これは41.7%の上昇だ。
5.そこまで成長すれば、PERにおける評価水準も倍ほどになる。
6.41.7%の利益上昇にPER18倍まで見直しが入れば、430円の株価は1,264円になる。
・・・・・こんな事を考えた。
1,264円まで上がらなくても、1,000円くらいになる可能性は十分あるだろう。それでも株価は+132.6%になるわけだ。
逆に株価が下がるとすればどうなるか?
もともと株価は低い。記事にもこう書いている。
「でも、下手な数字を出されても株価下落は380円程度で落ち着くのではないか?現在でも配当利回り3.72%もあるし。株価下落は限定的じゃないかな。」
430円が380円になったところで、下落率は11.7%だ。
上がれば+132.6%、下がっても-11.7%。賭けとすればとんでもなく有利だ。
上がる可能性が10%、下がる可能性が90%でも、何度もやっていると勝てる。
この意味がわかるだろうか?
上の確率で、仮に賭け金が1,000円だったとする。
10%の確率で、1,000円が13,260円になる。+12,260円だ。
90%の確率で、1,000円が883円になる。-117円だ。
10回負けても1回勝てば、12,260 + (-117×10)= 10,881円も儲かる。
100回負けても1回勝てば、12,260 + (-117×100) = 560円儲かるんだ。
こんなに都合のいい賭けの条件なんて、通常は存在しない。でも株式市場ではこんなに美味しい賭けの条件を時々みる事ができるんだ。
今回のウィザスの決算は、私にとってとても条件のいい賭けに見えた。
こういう風に考えるのが「確率思考」だ。
確率思考については、いつかゆっくりと記事にまとめたい。今日は「そんな考え方もあるんだ」というレベルで理解してもらえればいい。
ちなみに高校生になった時、数学で「期待値」という事を勉強するはずだ。期待値を使うと、いま書いた所がすんなりと理解することができる。実は数学はとても役に立つ。
学校で学ぶ勉強は役に立つことばかりだ。
ほんとに、勉強しとけば必ず得をするから(息子向け)。
3.今後の対応と反省点
会社の見通しが保守的なだけで、このストーリーはまだ破綻していないと考えている。
つまり、賭けは続行中だ。1年もしない内にウィザスの株価は1,000円近くになる、はずだと、信じている、たぶん。
サイコロの賭博なら、サイコロを一度転がせば賭けの結果は見えてしまう。でも、株式投資の場合、賭けの期間は自分で勝手に決めることが出来るんだ(信用取引以外は)。
結果は3ヶ月毎に発表される。上方修正のお知らせはウィザスの株を持ったまま聞きたいじゃないか。だからウィザスの株は売っていない。
反省点としては、決算を発表した後に買っても間に合っただろうという事かな。
決算が発表された後、株価が下落した時に買うのが最上だ。しかし決算が発表された後、たとえストップ高になった後に買っても十分儲けることができただろう。
それなのに欲張って、決算前にパンパンになるまで買い進めたのが失敗だった。せめて半分の現金を残しておけば、安い所でも買えた。
これが今回の反省点だった。
4.企業の分析は、確率の精度を上げる
未来の株価がどうなるかはわからない。でも、確率はある程度計算できるんじゃないかと思う。その確率の精度を上げるには、企業を深く分析するのが一番いい。
株式投資の流派は無数にあるけど、私はそういう流派に属しています。
5.まとめ
・株価が上がるか下がるかはわからない。でも確率はある程度推測できる。
・確率とリターン(つまり期待値)を考えて、資金を投入しよう。
・株式投資の賭けの期間は自分で勝手に決めることができる。これは有利な条件だ。
・確率の精度を上げるために、企業分析を頑張ろう。
・買うときには数回に分けて買おう。売る時も数回に分けて売ろう。
ウィザスの決算分析/ショボい来期予想に泣く
1.ウィザスの2019年3月本決算発表
5月14日、2019年3月のウィザス本決算が発表された。
発表を受けて、株価は下がった。
発表前は「コレは行けそうだ!」と思った。発表前から株価は上昇していたが、まだまだ安いと考えて買い上がっていった。
そして発表された次の日、カクンと株価が下がった。とても残念な結果となった。
一体どうしてこのような結果となったのか?その分析と、今後の対応について書いてみます。
2.株価下落の原因は
ウィザスが発表した決算の内容を確認していく。まずは2019年3月までの 実績について。
ウィザスは2019年2月8日に上方修正を行っており、それを受けた第三四半期時点の決算予想は、売上高17,000百万円、営業利益1,200百万円だった。
今回発表の実績は、売上高16,958百万円、営業利益1,180百万円だった。
わずかに営業利益が予想より悪かったが、その差は1.7%程度だ。株価下落の原因になるほどではない。
セグメント別の数字を確認してみる。
まずは第三四半期で出された予想。
そして、今回発表の実績。
学習塾事業が、売上高も営業利益も減少しているのは気になるところだ。売上高が1.1%(91百万円)、営業利益が15%(134百万円)低下している。
しかし、全体の数字は第三四半期時点の予想とほぼ同じだ。今回発表された実績によって株価が下落したとは考えにくい。
株価下落の原因は、会社が発表した次期計画だ。
売上高は前期比+3.8%、営業利益は前期比+1.6%、純利益に至っては-21.7%。
・・・なんてショボい予想を出してくれたんだ。
3.ショボい来期予想の詳細
来期予想の詳細をセグメントごとに見ていく。まずは学習塾事業。
学習塾事業の来季予想は良い。売上高が減少して営業利益が上昇している。たくさんある塾の、不採算教室を閉鎖してコストを下げるんだろう。
学習塾事業についてはヨコヨコで御の字だと思っていたので、これは良い傾向。
全体の純利益の2020年予想が前年比-21.7%と下がっているのは、学習塾事業における不採算教室の閉鎖と、それによる特別損失の計上を予定していと予想する。決算の見栄えは悪くなるけど、これは必要な処置なので受け入れるしかない。
特別損失について覚えていない中学生は、以下の記事を参照して下さい。
次にその他事業。
売上高は上昇、営業利益は減少。いろいろ新規事業を考えて投資するのだろう。学習塾事業の数字が良くなった分、投資に向ける。これについても異議はない。
最後に本命の高校・キャリア支援事業。
これが残念、かつショボい。
4.高校・キャリア支援事業の営業利益がショボい
前回の記事で、こんなグラフを載せた。私が、ウィザスの高校・キャリア支援事業の来期の数字を勝手に予想して作ったグラフだ。
上のグラフにあるように、私が予想した2020年の売上は6,500百万円。
ウィザスが予想した2020年の売上は6,585百万円。
びっくりするくらい当たっている。
そして私が予想した2020年の営業利益は1,900百万円。
ウィザスが予想した2020年の営業利益は1,553百万円。
こっちは18%以上の差がある。もちろん、悪い方に。
ウィザスの2020年の予想をグラフにすると、こうなる。
営業利益のグラフだけが折れている・・。
4.今後の上方修正期待と、ウィザスに対する恨み言
高校・キャリア支援事業の核である、ウィザスが経営する第一学院高等学校について更に考えてみる。
第一学院高等学校は新入学生を4月と10月に受け入れている。転入学や編入学は随時行っているが、それでも4月入学の生徒が一番多いのではないかと考えている。
5月14日に発表された2020年の来季予想には4月に入学した生徒数が反映されている。その数字に、10月入学や編入・転入学の生徒数が加算されていく事になる。ちなみに第一学院高等学校の卒業率は97.5%(2012年度だけど)だ。退学についてはそれほど大きな問題にはならないと考える。
売上予想が上昇しているのは、生徒数が十分確保できたからではないかと推測する。
ウィザスは2019年2月8日に上方修正を行っている。その時の修正で、高校・キャリア支援事業の売上を+752百万円(+14.5%)、営業利益を+631百万円(+80.5%)としている。
会社が発表した上方修正の理由は、
・高校・キャリア支援事業の生徒募集が好調に推移した。
・ICTを活用した高付加価値サービス導入で顧客単価が上昇した。
だった。
2020年度も10月入学や編入・転入学の生徒数によっては上方修正があるだろう。社会の価値観の変化からも、2019年と比べて極端に少なくなることはないと考えている。
そして、もう片方の「顧客単価が上昇した」の方について。
第一学院高等学校は本科通信コース、ステップアップコース、普通コースの3つのコースに分かれている。
本科通信コースは自宅でWebを使っての学習が主体となる。年間31万円の学費だ。
ステップアップコースは時々学校に通いながら慣れていくコース。学費は年間74万円。
普通コースは週5日間通学するコース。学費は年間95万円だ。
上記の3つのコースは、途中で変更が可能だ。生徒が慣れてきたら、より通学頻度が多いコースにステップアップする事が出来るシステムになっている。
第一学院高等学校口コミ・学費の評判情報 -通信制高校プラザ|全国の通信制高校口コミ・学費評判サイト
人間は怠惰だ。Webだけで3年間学習するのは大変に難しい。
また、高校生にとって楽しいことは学校にある。嫌なことも学校にあるんだけど、Web学習だけでリア充になることは不可能だ。
そう考えると、ステップアップしていく生徒は多いんじゃないかと予想する。それが前回の上方修正の原因のひとつだと想像しているのだけど、どうだろう。
2019年度と2020年度では、第一学院高等学校を取り巻く環境は変わっていない。それなら、生徒数と顧客単価は2020年度も上昇するだろう。
そしてまた上方修正すると期待している。
という訳で、今回の株価下落でもウィザスの株は売っていません。
まずは来週にも出されるであろう、有価証券報告書を待ちます。これで生徒数とか、来季の経費とかを検討します。
でもどうせならもっとシャキッとした来期予想を出してほしかった。ちょっと弱気すぎだろう。ショボすぎる・・。
明日にでも上方修正を出してくれてもいいんですよ・・・。
あなたのお子さんには通信制高校が合っている!!:通信制高校のお得なところ
ウィザスを買った理由
1.明日が決算
私のポートフォリオにウィザスという企業の株がある。
ウィザスは明日が決算だ。決算とは企業の成績表の発表だ。みんなが思っているより良い成績だったら株価は上がるだろう。悪い成績だったら株価は下がる。
株主なら、決算発表はたいへんドキドキするイベントだ。次の日の自分の資産価値が激しく増減するんだ。ドキドキしないほうがおかしい。このドキドキはたまらない。
決算で、予想通りの数字が出てこないかもしれない。
でも、なぜその株を買ったのか、どういう所を注目しているのか、などを明確にしておくことは重要だ。決算後の株価に振り回されないために。
それが明確になっていないと、ちょっと下がったくらいで不安になって売ってしまう。あるいはちょっと上がった所で喜んで売ってしまう。
その後の株価が3倍になった時、くやしくて机をかじるような事になるんだ。
そうならないために、ウィザスを買った理由をここに書くことにした。
2.ウィザスは高校・キャリア支援事業に注目
ウィザスが行っている事業は大きく3つに分けられる。学習塾事業と、高校・キャリア支援事業と、その他の事業だ。
2018年3月の、それぞれの事業の売上高と利益の割合は次の通り。
売上高は、学習塾 51%、高校・キャリア支援 32%、その他 17%。
利益は、学習塾 48%、高校・キャリア支援 41%、その他 11%、となっている。
それぞれの事業の、5年間の売上と利益の推移をみてこう。マネックス証券の「銘柄スカウター」というサービスで見ることができるグラフだ。
まずは売上の推移。
そして利益の推移。
見ての通り、学習塾の売上は横ばいだ。利益についてはやや減少している。
その他事業はすこしずつ上昇しているが、まだまだ全体の割合から見ると少ない。
力強く上昇しているのは「高校・キャリア支援事業」だということがわかる。
この「高校・キャリア支援事業」とは何なのか?
高校・キャリア支援事業には、「高校事業」と「日本語教育サービス事業」に分かれている。日本語教育サービス事業とは、日本に留学に来ている外国人を対象にした日本語学校だ。こっちの売上や利益の割合は少ないようなので無視する。
大事なのは「高校事業」だ。ウィザスは「第一学院高等学校」という高校を経営している。第一学院高等学校は、通信制の高校だ。
一般的に「高校」というと全日制の高校をイメージするだろう。月曜日から金曜日まで、朝の8時半に登校して6時間ほど授業を受ける。それが全日制高校だ。
しかし第一学院高等学校は通信制の高校だ。Webで授業を聞いて、レポートを提出し、テストを受けて単位を取っていく。そして時々通学する。そんな風に高校を卒業するのが通信制高校なんだ。
ウィザスは、この通信制高校が上手くいって、業績を伸ばしている。
3.上方修正前後の数字
ウィザスは2019年2月8日に上方修正を行っている。修正前後で、会社が出した今季予想を比較してみる。
まず修正前(中間決算での説明会資料より)
そして修正後(第三四半期での説明会資料より)
並べてみてみると、学習塾事業とその他事業はいずれも売上高も利益も減っている。しかし高校・キャリア支援事業についてはすごく増えている。
その内訳もすごい。高校・キャリア支援事業の、売上が752百万円の伸びに対し、営業利益が631百万円も伸びている。売上増加分の83.9%が利益になっているわけだ。
会社が発表した上方修正の理由は、
・高校・キャリア支援事業の生徒募集が好調に推移した。
・ICTを活用した高付加価値サービス導入で顧客単価が上昇した。
という事らしい。
学校というのは、生徒が30人でも40人でもあんまりコストは変わらない。先生は一人だし、教材もコピーすればいいだけだ。もちろん教室も1つで十分だ。Webで事業をやるならますます生徒数増加によるコストは上がらないだろう。
つまり、第一学院高等学校の生徒数が増えて、コストはあまり増えず、利益だけが増えたんだ。
で、更に生徒数が増えても同じように利益が増えるはずだ。
これは「固定費と変動費」という言葉で解説できる。中学生の読者さんは、また別の機会に詳しく書くので今は流して下さい。
4.来季の数字を勝手に予想する
高校・キャリア支援の売上と利益をグラフにするとこうなる。
それがそのまま進むとこうなってもおかしくない、よね?
このグラフ通りになると、高校・キャリア支援事業の利益が5億円アップする。
2019年度の営業利益が全社で17億円と見込まれているから、2020年度は5億円アップして22億円になる。年間41.7%の上昇だ・・・。
そうなれば現在PER 9.6で放置されている株価も見直されるんじゃないか?
42%の利益上昇に、PER18倍までの見直しを考慮すると、5月13日現在の430円の株価は1,264円まで買われる事になる。おお、すごいじゃないか。
・・・そこまで超絶にうまくいくとは思っていないけど。
5.妄想の根拠
高校・キャリア支援事業の数字は「第一学院高等学校の生徒数」によって決まると考えていいだろう。
決算書を見ると、2017年 5392人、2018年 5625人、と増えている。
2019年の数字はまだ出されていないが、売上額の上方修正があったくらいなんだから増えているんだろう。2019年は6250人くらいかと予想している。
そして高校は少なくとも3年生まである。
通信制高校だから、転入生も多いと思う。でも、転入生も3年生より1年生が多いはずだ。
ちょっと違うが、高校を退学する学年は1年生が多い。
高校中退率は?何年生で中退する人が多い? | 四谷学院高認コース(高等学校卒業程度認定試験対策)_公式ブログ
2年間高校に通って、その環境に慣れた高校生は3年目ではあんまり中退しない。
だから第一学院高等学校の転入生も、1年生が多いと予想している。そう考えると、ある程度のストック性を持つと思っても良さそうだ。来年度の生徒数が急に減るとは考えにくい。
むしろ社会全体の価値観の変化もあるし、生徒数が増える可能性の方がずっと高いと考えている。
来季の数字が良いことを妄想してもいいじゃないか。
あと、このような大変参考になるブログもあるので読んで下さい。
6.リスクもある
2019年2月8日に発表された上方修正では、さりげなく学習塾事業とその他事業の下方修正が混入されている。そこまで足を引っ張らないと信じているが・・。
ほかにもリスクはいろいろ考えているけど、書くのが面倒なのでもう書きません。
でも、下手な数字を出されても株価下落は380円程度で落ち着くのではないか?現在でも配当利回り3.72%もあるし。株価下落は限定的じゃないかな。
そんな事を考えて、ウィザスの株主をやっています。
後は祈るだけです。